つかめ「人流」!官民連携ビッグデータ活用の舞台裏
日経コンピュータの特集に「官民連携ビッグデータ活用」が取り上げられましたので、紹介します。
必要となった「人流」(人の動き)の把握
2020/03/31 政府が「感染拡大防止に資する」データ提供を企業に要請
2020/05/25 緊急事態宣言解除、クラスター発生分析などでも必要
本来の使用目的
- 顧客企業が商圏分析やユーザー調査に用いる
- 政府・自治体が観光振興やまちづくりに用いる
新型コロナ対策への使用用途
厚生労働省
内閣官房
- 人流の減少率の広報に活用
分析データ、リポートを内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策サイトに掲載
corona.go.jp全国主要駅・繁華街における人の流れの推移
- 都道府県間の人々の流動状況
自治体
- ビッグデータを活用し、地域住民の行動変化を分析
- WEBサイトで掲載
各社のデータサービス
NTTドコモの「モバイル空間統計」
取得方法
強み
- ユーザー数が多い(7800万人)
- 契約情報から属性情報を取得
弱み
- エリア単位が広い(500メートルメッシュ)
- 基地局からのデータ収集のため、細かい位置情報を取得できない
新型コロナ対策での使用用途
自治体への対応
- どんな分析が可能か認知してもらうため、初回のみを無償提供
- 2回目以降を有償提供
今後の展望
- GPSとの組み合わせでより細かいデータを取得できるか
Agoopの「メッシュ型流動人口データ」
取得方法
- 世界の50種類以上の位置情報アプリと連携
- 許可を得たユーザーからGPSデータを取得
強み
- 世界的にはユーザー数が多い(3000万人)
- エリア単位が細かい(50メートルメッシュ)
- エリア設定が柔軟
弱み
- 日本エリアだとユーザー数は少ない
- ユーザーの属性情報は取得できない
新型コロナ対策での使用用途
自治体への対応
- 地方自治体や公共機関向け位置情報分析ツール「Papilio」の一部プランを無償提供
- csvでの元データも公開
今後の展望
- 連携する位置情報アプリを増やせるか
ヤフーの「DS.INSIGHT」
取得方法
- Yahooアプリを使用して許可を得たユーザーからGPSデータを取得
強み
-位置情報のほかに検索履歴や購買履歴などの統計データも取得可能 -新型コロナ感染者の特徴的な行動と検索履歴、購買履歴と紐づけて分析可能
弱み
-ユーザー同意が必要なため、ユーザーが少ない
新型コロナ対策での使用用途
-厚生労働省:クラスター発生の予測分析 -内閣官房:位置情報で都道府県間の移動分析
自治体への対応
-期間限定(2021/03/31まで)で無償提供 -オンラインでの説明会を実施
今後の展望
-検索履歴、購買履歴以外の付加情報を広げられるか
KDDIの「KDDI LocationAnalyzer」
取得方法
強み
- エリア単位が細かい(10メートルメッシュ)
- 道路単位での通行量の分析、店舗の施設来場者数など細かい分析が可能
- 契約情報から性別、年齢の属性情報も取得可能
- 居住地や勤務地の推定し、エリアにいる人の集計単位が分類可能
弱み
- auユーザーのみでユーザー同意が必要なため、ユーザーが少ない
自治体への対応
- 期間限定(2020/07/31まで)で無償提供
今後の展望
- 検索履歴、購買履歴以外の付加情報を広げられるか