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dev系開発開発者の開発日記

【日経コンピュータ】日本郵便の成功モデルとは(ケーススタディ)

日本郵便の成功モデルとは

日経コンピュータケーススタディに「日本郵便」が取り上げられましたので、紹介します。

概要

  • 2万4000局を支えるITインフラを刷新
  • 日本郵便が抱えている体質改善による改革によるコスト80%削減

改革者

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日本郵便の2つのシステム

局システム

  • 郵便局の店頭業務用システム
  • 郵便だけでなく、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の業務でも使用
  • システムが老朽化
  • 2018年~2020年1月にコスト削減と性能・品質の向上を目指すシステム刷新
  • 80%のコスト削減を実現(170億円 → 35億円)
  • システム更改後に大きなトラブルなし

事業システム

  • 郵便事業の荷物追跡システム
  • 2023年にシステム刷新予定
  • 局システムでの成功モデルを適用し、さらなる成功を目指す

局システムでの成功モデル

ハードウェア保守費用の見直し

サービスレベルの切り下げ
  • 従来:24時間対応の保守契
  • 刷新後:24時間の保守契約を打ち切り
三者保守の導入
  • 従来:ハードメーカーとの独占契約
  • 刷新後:メーカーとは異なる外資系の第三者保守専業ベンダーと契約
教育体制の構築
  • 上記の過剰サービス契約でハードウェアメーカーへの丸投げをやめ、日本郵便側で最低限の故障対応手順の教育制度を構築
適用範囲の拡大
  • 50台の物理サーバーを最新鋭20台に集約
  • データセンターも集約
競争入札の分割
  • 従来
    • 1社に集約
    • ハードウェア調達~すべての保守業務を委託
      富士通
  • 刷新後
    • 3つの発注に分割
    • OS使用権付きのハードウェア調達
      →日本HPEが落札
    • ハードウェアを使用した基盤全体の構築・保守業務
      富士通が落札
    • ハードウェア単体の保守業務
      1年目:日本HPE、2年目以降は再度競争入札
発注分割による問題
  • 課題
    • ハードウェアと基盤構築のベンダーが異なる
    • 日本HPE製のハードウェアを富士通が構築することになる
  • 解決方法
    • サーバーやOSの設定項目を従来の4分の1程度に削減
サーバー以外の機器コスト削減
  • ネットワーク
  • データベース
    • 従来:高額ライセンス料のOracleDatabase
    • 刷新後:オープンソースのPostgresSQL
    • 工夫点
      • 小規模システムから適用範囲の拡大し、リスクの低減
      • SQL文の自動変換(1300本)で1割に手作業で修正が必要
        →開発費はかかるが、ライセンス料は0円

パソコン13万台の更改

課題
  • 2万4000の郵便局に散らばる13万台のパソコンの更改
従来の方針
  • 業者に丸投げし、すべて外注する
今回の方針
  • エンドユーザー(各郵便局)で実施する
  • ゆうパックで新しいパソコンを送付、局員が自分で設置、初期設定を行う
配備体制の強化
  • 2万4000すべてが協力的ではない
    →協力的な局長を配備リーダに選出し、推進体制の強化
  • 不慣れな高齢局員も多い
    →自発的な協力者(簡易局支援者)を460人集め、更改を支援

事業システム刷新に向けて蒔いた種

  • 5万台のOSアップグレード

    • 13万台のうち、新規購入は8万台のみに抑えた
    • 5万台は内務パソコンとして使用
    • 各郵便局から回収した中古PCをリフレッシュし、OSのみをアップグレード
  • 再利用工場の開設

    • 埼玉県内の遊休拠点に再利用工場を開設
    • 各郵便局からの中古PCを受け取り、データ消去、OSアップグレード、返送
  • コスト削減効果は少ない

    • 局システム刷新:80%(180億円 → 35億円)
    • PC更改:6%程度(580億円 → 540億円)
  • 狙いはコスト削減以外へ

    • 2023年に控える事業システム刷新へ向けた協力体制の強化
    • 2023年以降にどのぐらいの成果が表れるのかが今後の課題